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高橋 史明; 重森 祐志*; 関 暁之
保全学, 8(1), p.56 - 61, 2009/04
放射線取り扱い施設で、人為,技術的なエラー要因により、多量の放射線による被ばく者が発生する可能性は完全に排除できない。万一、保全検査時に被ばくが発生した場合は、健康被害を最小限にする医療措置の方針を、被ばくの程度(全身の被ばく線量)に基づき決定する。その後、具体的な医療措置を遂行するには、体内の線量分布の情報が必要となる。放射線輸送計算コードを利用した場合、被ばく者の体内の線量を解析できるという特長がある。一方で、放射線輸送計算による解析においては、入力ファイルの作成,出力ファイルに基づく線量情報の提示は煩雑な手順などを必要とし、人的なエラーが発生する可能性がある。そこで、入力条件をPC画面で逐次確認しながら対話形式で入力ファイルを作成できるプログラムなどを組み入れて、放射線輸送計算コードを効率的に利用する線量評価システムを開発した。この成果は放射線取り扱い施設における保全検査時の被ばく評価に利用可能である。
上野 文義; 山本 正弘; 加藤 千明
保全学, 7(4), p.50 - 56, 2009/01
極低炭素304ステンレス鋼の沸騰硝酸溶液中での腐食について統計的な手法により解析した。蒸発缶の大型モックアップ試験装置を用いて伝熱管の腐食試験を行い、試験後の伝熱管の肉厚と粒界侵食深さを測定し、正規分布やグンベル分布を用いて統計解析した。その結果、伝熱管は均一に腐食すること、肉厚の減少量は粒界侵食深さよりも大きいことがわかった。この結果は、伝熱管の超音波による肉厚測定が沸騰硝酸溶液中のステンレス鋼に生じる粒界侵食を考慮した腐食に対する予防保全に適用できることを意味する。
藤島 雅継; 坂本 直樹; 水越 保貴; 雨谷 富男; 大森 雄
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.388 - 392, 2008/07
大洗研究開発センター燃料材料試験部には、高速増殖炉の高性能燃料及び材料の開発を目的とした5つの核燃料物質使用施設(照射後試験施設)がある。これらの施設は昭和40年代から50年代に建設されたもので、ホットインからいずれも30年以上経っている。そこで、施設の安全の確保のため、平成15年度より独自の安全評価に取組んでいる。この取組みは、想定されるリスクを摘出し、未然に適切な処置を施すなどの対策によりトラブルを防止しようというものである。その精神は、発電用原子炉等の高経年化対策に適用されている定期安全評価(Periodic Safety Review:PSR)に学んでいる。評価手法の特徴は、安全に影響するさまざまな要因を数値化し、性能劣化監視指標(Performance Indicator:PI)により、適切な保全活動に反映していく点にある。本報では、燃料材料試験部で行っている施設の安全評価への取組みについて、経緯,評価手法と保全活動への展開の状況について報告する。
坂本 直樹; 吉川 勝則; 櫛田 尚也; 中村 保雄; 助川 清志*
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.226 - 230, 2008/07
宇宙開発分野,海洋技術開発分野などでは、作業環境の特殊性から、遠隔操作技術や遠隔保守技術の開発が不可欠となっている。放射性物質を取扱う施設(ホットラボ)においても、高放射線,封じ込め等特有な環境の中での作業となることから、遠隔保守技術の開発は極めて重要である。特に高速炉で使用したプルトニウムを含有した燃料(集合体)を取扱う施設では、放射線を遮へいしつつ、密封性を確保した大型のセルを配置する必要がある。この大型セルでは、鉛ガラス窓を介したマニプレータによる遠隔操作によりさまざまな試験を実施している。さらにセル内には、試験機のほか、重量物の移送を行うインセルクレーン,試験機などの機器の操作や保守を行うためのパワーマニプレータが備え付けられており、これらの設備においても故障等を想定した遠隔保守技術が取り入れられている。本報では、インセルクレーン,パワーマニプレータを中心とした大型ホットラボにおける遠隔保守技術の概要,操業開始から30年間に渡る運転保守管理の実績に基づく保全方法の確立について述べる。
照沼 朋広; 大関 達也; 福有 義裕
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.129 - 132, 2008/07
東海再処理施設に設置されている2基の溶解槽に、1982及び1983年に相次いで故障が発生した。この溶解槽は、高放射線量下に設置されており、人が容易に近づけないという理由から、遠隔操作による補修,検査装置を開発し補修を実施した。補修後は、溶解槽の健全性を確認するため、遠隔による検査を、年1回定期的に実施することとなった。さらに、従来の装置と比較し短時間で行える、定期検査のための遠隔検査装置を開発し使用している。
仁尾 大資; 太田 和則; 石崎 勝彦
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.393 - 395, 2008/07
JRR-3は平成2年に大規模な改造を行い、その後の運転から15年以上が経過し、高経年化及び予算削減を念頭に置いた状態監視保全を行っている。これまでの状態監視保全として、ポンプ類の振動,潤滑油診断を行ってきており、これらに関してはトラブルの頻度から判断して適切に行われてきたと考えている。またこのほかにも、ベリリウム反射体の寸法管理や、中性子計装の低圧電源リップル値測定による状態監視保全を行っている。同時に、より効率的な保全のために、これまで状態監視保全が適用されていなかった機器についても状態監視保全への転換が可能な機器について検討した。結果として、これまで時間計画保全で行われてきた熱交換器洗浄作業については過剰な保全になっていることがわかり、状態監視保全への転換が望ましいことがわかった。今後はさらにそのほかの機器について状態監視保全が適用可能かどうかの検討を継続する。本発表では以上を含むJRR-3における効果的な保全活動の検討と実際の保全活動について発表する。
安尾 清志; 瀬戸 信彦; 綿引 誠一; 福有 義裕
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.385 - 387, 2008/07
東海再処理工場では、核燃料物質を含む硝酸溶液等の液移送は、真空を利用し、三方切替弁により操作されている。当初の三方切替弁は、1年ないし2年で故障が発生して液移送ができなくなり、信頼性が低かった。故障の原因は、可動部品の樹脂製ダイアフラムの破損であったため、ステンレス製のベローズを用いた三方切替弁を開発した。これにより、可動部品の故障がなくなり、信頼性が大幅に向上した。
田川 明広; 上田 雅司; 宮原 信哉; 山下 卓哉
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.470 - 472, 2008/07
配管ヘルスモニタリング用の新センサの開発を実施した。試作したセンサは、ハイブリット計測可能なEMATであり、200Cの高温環境下でも、配管表面温度,板厚,水温の3つの異なる計測を1つのセンサで測定できることを確認した。
高峰 潤; 春山 満夫; 高瀬 操
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.481 - 484, 2008/07
核燃料施設で発生する廃棄物のような、ウランとプルトニウムが混在している測定対象物中の存在比を決定する手法は未だ知られていない。Pu-239の比放射能はU-235の約10,000倍である。したがって、放射能評価において、これらの存在量を決定することは非常に重要である。そこで、14MeV中性子直接問いかけ法によって得られる、遅発中性子と即発中性子に注目し、それらの相関関係からウランとプルトニウムの存在比を決定する手法を開発した。この手法を確認するために、ウランとプルトニウムの存在比をパラメータとした測定実験を行ったところ、その実験値は理論値と精度よく一致することがわかった。これによって、測定結果から存在比導出が可能であることがわかった。
小林 哲也; 市村 俊幸; 佐藤 正幸
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.340 - 343, 2008/07
平成16年2月2日に試験研究の用に供する原子炉等の設置,運転等に関する規則が改正され、日本原子力研究開発機構は、保全活動における定期的な評価を平成16年度に実施した。その中で、研究炉JRR-3においては30年を超えない期間までに実施する評価として、「保守点検の実績評価」を実施した。保守点検の実績評価は、設備機器の機能維持のために行ってきた保守,点検,交換等の保全活動の実績調査を行うとともに、経年変化の事象について調査し、これまでの保全活動内容が適切であったかどうか評価検討した。なお、経年変化事象の進展の可能性については、「ポイント制」を用いて評価した。評価検討の結果、JRR-3においては経年変化を考慮した適切な保守を実施していることを確認し、これまでの保全活動内容は妥当であると判断した。
川島 和人; 鈴木 寿之; 村松 靖之; 田口 祐司
no journal, ,
日本原子力研究開発機構のNSRR原子炉施設では高経年化した原子炉プールを継続使用していく際に、プールライニング(アルミニウム)について必要肉厚等の確認を重要な点検項目とした。そのため、原子炉プール水中の遠隔で超音波探傷法によりプールライニングの検査を行うための装置を開発した。
横山 堅二; 鈴木 哲; 江里 幸一郎; 関 洋治; 榎枝 幹男; 秋場 真人
no journal, ,
核融合実験炉ダイバータ用非破壊検査装置(以下、赤外サーモグラフィー試験装置という)は、ITERダイバータの受入試験として要求されている非破壊検査を遂行するための装置である。この検査はダイバータに温水(95C)と冷水(5C)を交互に通水し、そのときの表面温度変化を赤外カメラで観察して表面保護材と冷却管との接合状態を検査するものである。今回完成した赤外サーモグラフィー試験装置では温水と冷水の切り替えの際に、試験体内部に残留した水を瞬時に排出する機能を有し、より急峻な温度変化を与えることが可能であるとともに、3体のダイバータに対して前面と側面を同時に観察することが可能であるなど、優れた特徴を有している。これまでにダイバータ模擬試験体を取り付けて試運転を行い、良好な検査を実施できることを確認した。
松田 規宏; 笹本 宣雄
no journal, ,
原子力安全技術センター刊行の「放射線施設のしゃへい計算実務マニュアル」では、線ストリーミング(間隙部の漏えい現象)に対する遮へい評価に簡易計算手法であるDIN(Deutsches Institt fr Normung;ドイツ連邦規格)の式を用いることが推奨されている。しかし、この式にはあらかじめ安全係数が考慮されているため、実際の放射線施設の保全検査で得られる実測値に比べてかなり安全側の評価となる。一方、ストリーミング現象の詳細解析では、連続エネルギー・モンテカルロ計算コードMCNPが使用されることが多い。DINの式及びMCNPコードの計算精度を評価する目的で、ベトナム科学技術研究所(INST)において、線のストリーミング・ベンチマーク実験を実施した。計算結果と実験データの比較により、MCNPの計算精度を確認するとともに、DINの式について、間隙内での現象をよりよく再現するよう改良を試みたので、その結果について報告する。
伊藤 裕人; 勝山 仁哉; 飛田 徹; 鬼沢 邦雄
no journal, ,
応力腐食割れ(SCC)を考慮して配管溶接部の破損確率を評価する確率論的破壊力学解析コードPASCAL-SPの開発を進めている。PASCAL-SPは国内の規格基準に準拠してSCCに関する評価を行い、モンテカルロ法により破損確率を評価する。溶接残留応力分布に対する不確かさを含めて、パラメトリックなFEM解析によりデータベースを構築し、確率論的評価モデルを作成した。このPASCAL-SPを用いて溶接残留応力分布の不確かさに関する感度解析を行った。その結果、溶接残留応力の不確かさは破損確率に大きな影響を及ぼし、不確かさが大きいほど、破断確率が大きくなる傾向が見られた。
勝山 仁哉; 飛田 徹; 伊藤 裕人; 鬼沢 邦雄
no journal, ,
圧力バウンダリ配管における突合せ溶接継手を対象に、溶接条件のばらつきが溶接残留応力及びき裂進展挙動に及ぼす影響に関して、有限要素法による溶接残留応力シミュレーションを行い、得られた残留応力分布を用いて決定論的き裂進展解析を行った。その結果、入熱量が大きいほど、内表面の引張応力及び外表面の圧縮応力は増加するとともに、溶接残留応力が生じる範囲も増加することがわかった。また、内表面の溶接残留応力に対して、内表面側の初層付近の溶接は影響せず、外表面の最終パスの溶接が大きく影響することが明らかとなった。さらに、溶接残留応力分布から応力拡大係数を求め、入熱量が大きいほどき裂進展速度は速くなることを示した。
飛田 徹; 勝山 仁哉; 伊藤 裕人; 鬼沢 邦雄
no journal, ,
再循環系配管の溶接部に見いだされている応力腐食割れの進展挙動は、溶接により発生する残留応力の影響を受けることが知られている。溶接残留応力は、開先形状,入熱量あるいはパス間温度などの溶接条件のばらつきにより変化する。そこで本研究では、再循環系配管等におけるステンレス鋼の突合せ溶接継手部を対象に、複数体の溶接試験体製作時における入熱量や溶接速度等の溶接条件のばらつき、及び製作した配管溶接試験体の溶接残留応力及びそのばらつきについて測定を行った。その結果、単一パス中の入熱量や速度等のばらつきは小さいことを確認し、複数パスごとの溶接条件を把握するとともに、異なる開先形状,パス数,入熱量制限等の溶接条件に伴う溶接残留応力分布の相違を明らかにした。
酒井 克己; 富田 恒夫; 清水 和幸
no journal, ,
東海再処理施設の機械,電気,計装の膨大な設備に対する保全作業は、年間1万件にも及び、そのうち90%は予防保全である。保全管理においては、必然的に保全情報の適切な管理が必要である。このため、1985年(昭和60年)から1992年(平成4年)にかけて東海再処理施設に適した支援コンピュータシステムを開発した。本システムでは、約24,000件の設備登録,約261,000件の保全履歴の登録を行い、設備の不具合発生,点検,更新等の計画に利用している。
伊波 慎一; 大久保 俊純; 堂村 和幸
no journal, ,
東海再処理施設の設備保全管理支援システム(TORMASS)により、約30年間で蓄積された保全実績データをもとに、分離精製工場の閉じ込め機能を確保するために重要であるブロアについて、構成部品の故障履歴から偶発的故障を抽出し、信頼度解析による評価を行った。
伊波 慎一; 竹内 謙二
no journal, ,
東海再処理施設の送風機,ポンプなどの回転機器類は、施設の安全を確保するうえで、重要な役割を果たしている。回転機器類における軸受は、安定的な運転を行うための重要な機械要素である。その軸受における管理で最も重要なことは、潤滑状態を常に適切な状態に維持することである。従来からの振動法では、潤滑状態を定量的に確認することが困難であったが、ショックパルス法では、軸受内の油膜厚さを定量的に確認することができる。このことは、軸受の診断を行ううえで、測定技術の平準化につながる。
古澤 孝之; 本間 史隆; 猪井 宏幸; 澤畑 洋明; 根本 隆弘; 渡辺 周二; 太田 幸丸
no journal, ,
日本原子力研究開発機構が大洗研究開発センターに建設したHTTRは、我が国唯一の高温ガス炉である。HTTRの最大熱出力は30MWで、原子炉出口冷却材の最高温度は950Cであり、2004年4月19日に到達した。本報告では、HTTRの設備の保全の考え方,高温ガス炉の保全技術開発に向けてこれまでに実施してきた保全内容について述べる。